○○のなんで? 土用丑の日編

「石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ」

万葉集に収録されている歌の一つで作者は大伴家持(おおともの やかもち)という歌人です。歌の意味をざっくり訳しますと

「石麻呂さんに申し上げます。夏痩せに良いと言われている鰻を獲って食べてください。」

という意味で、注目していただきたいのは「夏痩せに よしといふものぞ」で万葉集が作成された時代が奈良時代ですのでもうこの時代で鰻は夏に良い食べ物だと解っていたようです。

では今のように土用丑の日に鰻を食べるようになったのはいつか?

その前に土用丑の日のについて説明したいと思います。

土用丑の日の「土用」とは四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前、18日(または19日)の期間を指す言葉です。

一般的な夏の土用にあたる土用は立秋なのでその前の18日の期間を指します。

今年の立秋は8月7日頃なので7月20日~8月6日の期間です。

「丑の日」は昔の人は十二支(子・丑・寅・・・)を使って時間や日付を数えていたようで土用丑の日とは、「土用の期間に訪れる丑の日」を指しています。

ちなみに、今年は7月20日と8月1日が「丑の日」なので7月20日が「一の丑」、8月1日が「二の丑」と呼ばれます。

さて、本題に戻りましていつ食べられるようになったかというと、有名な説ですと平賀源内が発案したという説です。

ある鰻屋の主人が平賀源内に「夏の鰻は旬じゃないから蒲焼が売れない。」と相談した。当時丑の日に「う」の付く食べ物を食べることで健康に恵まれることが信じられていた事から、平賀源内はこれにあやかり「本日土用丑の日」と書かれた貼り紙(看板とも云われています)を貼った。「あれは何だ?」と聞きなれない言葉に足を止める通行人を主人はすかざず引き込み、人気を博しそれを真似する鰻屋が増え今のように食べるようになった。

*写真はイメージです。

似たような説で、江戸時代の狂言師 大田南畝(おおた なんぽ)が「神田屋」とい鰻屋に頼まれて「土用丑の日に鰻を食べると病気にならない」という内容の狂言を作って宣伝したという説もあります。

他には大量の鰻を注文された鰻屋が、「子の日」「丑の日」「寅の日」に鰻の蒲焼を作ったら「丑の日」の蒲焼だけ悪くならなかったから「土用丑の日には鰻を食べるが定着した」という説もあります。

昔の人の苦労があり、今の風習が根付いたのですね。

上記にもあります「夏の鰻は旬じゃない」ですが、確かに鰻の旬は初冬(10月~12月頃)でこの時期の鰻は脂がのっていて美味しいですが、鰻には体の抵抗力を高めるビタミンAや鉄分にカルシウム等、体に必要な栄養素がバランス良く含まれ夏バテ解消にも効果ありです。

ですからぜひ、夏の鰻も食べて下さい。

もし「鰻が苦手で食べれない」という事でしたら「う」の付く食べ物(牛・梅干し・うどん等)や、旬が夏・冬とある「土用しじみ」(夏の呼び方で冬は寒しじみと呼ばれます)や「土用卵」(土用の時期に産み落とされた卵)があります。

今年は丑の日が二回ありますので様々な方法で丑の日を楽しんでみてはいかかでしょうか?

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