春~もうすぐ「春告魚 にしん」

昔の人たちは3月を「弥生」と言っていました。読み方は「やよい」で、弥は「いよいよ・ますます」、生は「草木が生い茂る」という意味で、冬が終わり草木が芽吹き生い茂る様子を表現しています。

競り場の魚の顔ぶれも冬の魚が徐々に減り、春の魚が日増しに増えてきております。各家庭の夜の食卓を想像すると鍋料理があり、煮魚、焼き魚、刺身、サラダなど今の時期ならではの三寒四温を感じる魚料理だと思います。

これから気温が高くなりますので、品質管理のため、「生まぐろの新売り場」温度管理のできる低温売り場が完成しました。今月より生まぐろの競り場現状より5メートル北へ移動しました。
今月の主なイベント・行事は、ひな祭り・東日本大震災から8年・お彼岸・卒業、卒園式・花見など、魚を使用する場面がたくさんあります。

ひな祭りは女の子の健やかな成長を願う伝統の行事で、桃の節句とも呼ばれる3月を代表する行事です。
華やかな雛人形や桃の花を飾り、甘酒・ちらし寿司・蛤のお吸い物・ひなあられ・菱餅などのご馳走を食べてお祝いをします。

ちらし寿司に使われる具材の「えび」には長寿、「れんこん」には先の見通しがきく、「まめ」には健康でまめに働ける、「たけのこ」にはすくすく育つ、「なのはな」には春らしさなどの意味があります。お祝いに真鯛も食べられます。お吸い物には「はまぐり」が使われます。

「はまぐり」には二つに分けた蛤の殻は、決して片割れの貝殻以外とは合わないことから良い相手に巡り合える、ひとりの人と生涯連れ添えると考えられ、夫婦円満の象徴です。
また、「はまぐり」は汚れた水を嫌い、水が汚れると一夜にして移動することから清潔の象徴とも考えられます。
ひな祭りは子供の幸せを願う気持ちがたくさんこもってる行事です。

今月の旬魚は春の訪れを感じさせてくれる「春告魚」と呼ばれる魚で、地域によって変わります。代表的な魚はにしん・めばる・さわらなどがあります。

今回はにしんについて調べました。にしんの語源は二親・二身説があります。二親とは父母のことであり、盆や正月に両親の長寿を祈って食べる魚であったことに由来する説、二身は身を二つに割いて食べることに由来する説です。

また、アイヌの名称では「かど」と呼ばれていたそうです。にしんの卵がかどの子と呼ばれ訛って数の子と呼ばれるようになったそうです。

水揚げ量は明治末期から大正期には、北海道で100万トン近くも水揚げされた記録が残っています。当時2~3ヶ月のニシン漁で1年間の生活費を稼いだと言われます。

綱元はにしん大尽と呼ばれ贅を尽くした建築のにしん御殿と呼ばれる豪邸を建てました。現在では国の登録有形文化財に指定されています。
現在の水揚げ量は昔の100分の1にも満たない1万トンにも達していません。

先月のニュースで小樽沿岸でにしんが、産卵のため大群で押し寄せ産卵、放精によって海の色が乳白色になる「群来(くき)」が確認された報道がありました。今年の水揚げは期待できそうです。

にしんの卵は粘着性があり、昆布などの海藻にびっしり張り付き、この昆布が寿司ネタで使われる子持昆布になります。
海藻に産卵する前の数の子はポリポリとした歯ごたえの良さに繋がるそうです。一方、砂地に産卵する前の数の子は粘着性が低く、水分を多く含んだやわらかい食感になるようです。

輸入される数の子も同様でポリポリ食感はカナダの太平洋沿岸、アラスカ沿岸です。やわらかい食感はカナダ大西洋沿岸、オランダ大西洋沿岸です。

にしんはビタミンなどの栄養がたくさん含まれ、主な効能は老化の抑制、貧血の予防改善、美肌効果、骨粗しょう症予防に繋がります。
これから気温上昇とともに花粉の飛散量が増えてきますので、花粉症対策としてマスク、メガネ、うがいなど有効です。今月もよろしくお願いします。

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